観念さん
(元・為替ディーラー)
みのるさん
(プー太郎)
長野県 諏訪に帰省中の観念さんから電話が入りましたとさ
観念 もしもし
み もしもし。今日はどーしたんですか?
観念 あのですねー。
お金より大事なものってあるんですよ。
み おー、テーマが大きいすね。
観念 突き詰めると、一言なんだよ。
み 一言で言ってください。
観念 ニーチェは言いました。「全ては解釈だ。」と。
み ニーチェが言ったんすね。
観念 最近思ったけど、音楽っていうのは結局、「言葉」になってる
ね。
み どういうこと?
観念 よーするに、ネットの時代はメロディを聞く心の余裕がない んですよ。
「盛り上げるだけ盛り上げる」とか「感情の露出」とかそこに 焦点が当たってるんです。
み まー、「潤いみたいな感じ」じゃなくて直接的に訴えかけるモ
ノが広がる感じはしますね。
観念 直接的なモノから目に入りやすいネット時代の精神的障害が
来てるんです。でもね、もう戻れないんです。
「解釈が出来る人間」っていうのはプロレスを経た人間だけなん
です。
み プロレス?
観念 プロセス!だよ。話の流れでだいたい分かるだろ!
み あー、これが解釈ですかね?
観念 それより、最近、ラップが流行ってるでしょ。
み そうすね。
観念 ラップっていうのは、既存の日本語を壊そうとする動きでし ょ?
み ・・・
観念 この動きは加速化するよ。
日本語が今の社会に合ってないんだもん。
み どういうことすか?
観念 日本語っていうのは本来、
関係性を重んじる為に作られた言語なんです。
例えば、
「私はあなたとお茶を飲む」という日本語を英語にすると
「I drink tea with you」となるでしょ。こういうことです。
み どー解釈したらいいんですか?
観念 日本語っていうのは「私の次に相手」が来るの。
英語の場合は「私の次に動詞」が来るのね。
つまり、
ネットを見るっていうのは「自分がどうしたいか?」
ってことが行動原理の1番上に来るんです。
相手は3番目なんです。
ネット世界は、
古来から続いて来た日本語の言語感覚を変える力を持ってしまっ
たんです。
み ほー。解釈してますねぇ。
観念 私はね、諏訪の山で育ったんです。山に育てられたんですよ。
東京はね、人が多過ぎるんです。
人ばっか見えるから、人を気にして生きるでしょ?
み まぁ。
観念 諏訪の大自然の中に身を置くと自分がたった一人だ。
という事実に向き合えるんですよ。
そうすると、人の事なんて気にせずリフレッシュ出来るんで
す。私は、自然の中で生きたい!
どう思いますか?
み いいんじゃないすか。
観念 とりあえず、来週には東京に戻ります。
み なんで戻って来るんですか?
観念 退屈だから。
み 結局、ネットの時代は止まらないって話に戻りましたけど、
昔に比べて音楽をライブで楽しむ文化も育ってるし、
AV女優さんに生で会えるイベントが増えたのだって
ネットのお陰ですしね。
観念 そうそう、今は日本語の過度期だから、物事を深く考えられな
い時代なんです。というか、他人のことを深く考える気力がな
いんです。
み 当分は、利用する人が深く考えないで済むことを仕事にした方
が金になるんすね。
観念 そういうこと。
み ココイチの出前が来たから、電話切りますね。
観念 何カレー?
み チキン煮込みカレーす。切りますよ。
観念 それじゃ、また。
み それじゃ、またっす。